はじめに
このコースでは、Notionの使い方の基礎を学びます。応用として、Notionを使ったプロジェクト管理や、Webサイトとしてページを公開するなど、Notionと外部サービスの連携も学習していきます。
- Notionでできること
- ページを追加して書いてみる
- Notionでマークダウン記法を使う
- ブロックを追加してみる
- ページとリンクの構成
- データベースを使ってみる
- プロジェクト管理をする
- Webクリッパーとして使う
- NotionのページをWebサイトとして使う
- チームで導入するためのポイント
- Notionの最新情報を入手する
Notionに限らずなのですが、ツールの使い方は、1から100まで順番に学ぶようなことではなく、自分の目的に合わせて必要なものを中心として、スキルを吸収していくのが良いと思います。
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Notionでできること
Notionは、メモの作成、プロジェクト管理、タスク管理のためのオールインワン・ワークスペースです。
既存のサービスとしては、Evernote、Trello、Jira、ConflienceなどからNotionへの移行が想定されているようです。
メモをとったり、もう少し凝ったドキュメント作成や、情報やリンクを集めたデータベース、進捗を管理するタスク管理などが、幅広くNotionでできます。
Notionのことを何も知らずに使い始めると、ただのシンプルなノートです。でもそのシンプルな中に機能が詰まっていて、必要な機能をすぐに呼び出すことができます。
このコースで使用するアプリは、ChromeやSafari、Microsoft EdgeなどのWebブラウザ、もしくはNotionアプリです。
Notionをアプリで使うメリットは、ネットがつながっていない状況でも内容を閲覧、編集ができることです。アプリでも、ウインドウを複数開くことができます。
メニューバーの「ファイル」から「新しいウィンドウ」を選択するか、ショートカット「⇧shift + ⌘command + N」で複数のウインドウを開くことができます。
Notionアカウントが必要になりますので、無料で作成しておいてください。Notionをひとりで使う場合の、無料版と有料版とで、基本的な機能の違いはありません。アップロードできるファイル容量、ファイルを共有できるゲストの数、過去30日間のバージョン履歴の保存などに違いがあります。
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ページを追加して書いてみる
まずは新規ページを作成して、テキストを入力してみます。
Wordやメモ帳、テキストエディットなど、一般的なテキストエディタと同じように、テキストに装飾を加えることができます。
テキストを選択すると書式設定用のツールバーが表示されます。
見出し1、見出し2などのタイトルや、ToDoリストを作成したり、太字、文字の色などを変更できます。
さらには、これらの操作をショートカットで行えます。よく使うものはキーボードショートカットを覚えておいた方がいいというのが基本ですね。
たとえば、見出し1,2,3はそれぞれ
「⌘command + ⌥option + 1」
「⌘command + ⌥option + 2」
「⌘command + ⌥option + 3」です。
Windowsの場合は「⌘command」を「⌃Control」に置き換えてください。
通常のテキストに戻す場合は「⌘command + ⌥option + 0」です。
通常のテキストは一般的に「プレーンテキスト」といいます。大きくも小さくもなく、太くもなければ色もついていない、データとして何も装飾がされていないプレーンなテキストのことです。
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Notionでマークダウン記法を使う
Notionでは、ショートカット以外にも「マークダウン記法」にも対応しています。簡単なので、よく使うものから覚えてしまいましょう。
マークダウン記法は、たとえば、「# + スペースキー」で「見出し1」、「## + スペースキー」で「見出し2」に変換されます。
ちなみに、マークダウン記法は、Notion以外でも使える「文章の書き方」です。プレーンテキストに記号を加えることで、簡単にHTMLに変換することができます。 このように、プレーンテキストに対して、見出しや箇条書きなどの文書構造を示すことを、「マークアップ」といいます。
これからHTMLを学びたい人は、まずマークダウン記法を使ってみて、テキスト構造をマークアップするという概念に慣れておくのもいいかと思います。
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ブロックを追加してみる
スラッシュコマンドを使って、ブロックを作成していきます。
「/スラッシュキー」を押すと、Notionで使用できるブロックの一覧がでてきます。スクロールして目的のものを探してもいいのですが、続けて入力すると結果が絞られていきます。
たとえば「/todo」と入力すると、ToDoリストが作成できます。
さらに、もっと動的なブロックもあります。このページの目次を追加します。
「/目次」と日本語で打つか、「/toc」と打って選択すると、現在のページの目次を作成できます。 これは、見出し1,2,3をもとに自動生成されているもので、見出しのテキストを変えると目次も変わります。
Notionは、このように様々なブロックで構成されています。
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ページとリンクの構成
Notionにはフォルダのような入れ物がないのですが、ページの中にページを入れることで、複数のページをまとめることができます。
このように、ページの中にページを入れることを「ページをネストする」や「入れ子にする」といいます。ネストした外側のページを親ページ、ネストされた中身のページを子ページといいます。
この呼び方は、Notionだけではなく、Web制作でも良く使われる概念なので、ノリで覚えておきましょう。
親ページには、このように中に入っている子ページのインデックスが作成されます。選択すると、そのページに移動します。
そして、このようなページリンクを手動で作成する方法があります。
「@マーク」を入力したあとに他のページ名を入力すると、そのページへのリンクを作成できます。
これは「@コマンド」といって、ページ以外にも、ユーザ名や日付をメンションすることができます。単純に@マークを入力したいときには、@を押したあとに「escキー」を押します。
リンク先のページは、どのページからリンクされているかという、 「バックリンク」が表示されます。
このように、Notionのページの概念は少しクセがあるのですが、「ページにページをネストできる」ということくらいなので、細かいことは気にせずにざっくり捉えてしまいましょう。
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データベースを使ってみる
Notionのすばらしい機能に、データベースがあります。
スラッシュコマンドから、「データベース」のカテゴリにある「ボードビュー」を追加します。
「+ 新規データベース」を選んで、ボードビューが作成できました。カンバン方式のタスク管理です。
他のビューも追加してみます。「+ ビューを追加」から「テーブルビュー」を選択します。
それぞれのビューは連動しています。1つのデータベースを参照して、その表示方法を変えているだけなので、たとえばボードビューからタスク名を変更すると、テーブルビューにもタスク名の変更が反映されます。
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プロジェクト管理をする
プロジェクト管理のNotionテンプレート
複製して自由にお使いください🖖
Notionのデータベースを使って、プロジェクト管理を行います。
ここでは、カンバン方式をベースとして、スケジュールの見える化など、ひとりから少人数のチームでの利用までを想定した、プロジェクト管理をNotionで行なっていきます。
カンバン方式は、1つのタスクを「カンバン」と呼ばれるカードとして管理して、タスクを可視化する方法です。
「+ページを追加」から新規ページを作成します。ここではタイトルを「プロジェクト」にします。
スラッシュコマンドから、データベースのカテゴリにある「ボードビュー」を選択して、「+新規データベース」を作成します。ここではデータベースのタイトルを「RoadMap」と付けましょう。
最初からある「未着手」「進行中」「完了」などのステータスをカスタマイズしていきます。
「01_Plan」「02_ToDo」「03_Progress」「04_Check」「05_Done」「00_Pending」と入力していきます。
次に、ステータスの色を変更します。ステータスの色を、Macのタグの色と合わせることで、ローカルのタグの色の意味と統一しておきます。
最初からあるサンプルの「カード1,2,3」を削除します。そして、「ステータスなし」は使わないので非表示にします。そうすると、一番右に「非表示のグループ」としてまとめられます。
次に、タスクを1つ作成して、ダブルクリックで開きます。「+プロパティを追加する」から新規プロパティを追加します。プロパティ名に「スケジュール」と入力します。そして「プロパティの種類」を「日付」にします。
最初からあるプロパティ「担当者」は、ひとりで使う場合など、必要なければ削除してください。
次に、「+ビューを追加」から「タイムラインビュー」を追加します。表示領域を広げるために、「左右の余白を縮小」をオンにします。表示が左右いっぱいまで広がりました。
「ビューのオプション」から「プロパティ」へと進んで、「テーブル」のタブを選択します。「テーブルを表示」をオンにします。すると、タイムラインビューの左にテーブルが表示されるようになりました。さらに、「ステータス」の表示をオンにすると、ステータスも表示されます。
このように、それぞれのビューの表示は、表示/非表示や並び替えなどのカスタマイズができます。
タイムラインビューは、スケジュールの管理に適しています。タイムラインにスケジュールを追加すると、他のビューにも反映されています。
次に、「+ビューを追加」から「テーブルビュー」を追加します。
カンバン方式でのタスク管理は、その進捗によってステータスを変えていきます。
それぞれのステータスを、次のようにしました。
- 01_Plan:構成をプランニング中
- 02_ToDo:構成完了
- 03_Progress:制作中
- 04_Check:間もなく公開予定
- 05_Done:公開完了
- 00_Pending:いったん保留
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Webクリッパーとして使う
ブラウザで開いているページをNotionで収集して、リンク集を作成することができます。ブラウザの機能拡張(あるいは拡張機能)があるので、インストールします。
Notionの公式サイトの「ダウンロード」から「Webクリッパー」を選択します。
今回はGoogle Chromeに設定をしていきます。
chomeウェブストアのページに移動するので、「Chomeに追加」をクリックして、「拡張機能を追加」へと進みます。
拡張機能アイコンから「Notion Web Clipper」のピンをオンにします。
これで、Notion Web Clipperのボタンをクリックするだけでリンクを収集できるようになりました。
たとえばこのページをNotionに保存したい場合は、「Notion Web Clipper」のボタンをクリックします。最初は「追加先」で「新規のリンクデータベースを作成」を選んでください。
そして「ページを保存」をクリックします。ページの内容を保存することができました。
Notionのサイドバーを確認すると、先ほど作成した、新規リンクデータベースがあります。デフォルトでは「マイリンク」となっていますが、好きな名前に変更してください。
保存したページは、タグをつけて整理することができます。一度付けたタグは登録されるので、2回目からは選ぶだけでタグ付けできます。
Webクリッパーで収集したページも、当然Notionの便利な機能を使えますので、検索して絞り込んだり、レイアウトを変更したり、誰かと共有することもできます。
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NotionのページをWebサイトとして使う
Notionと連携できる、さまざまなサービスがあります。
Googleカレンダーと同期したり、ウィジェットを追加したり。
静的なページを作れるのはもちろんですが、Notionのデータベースを使えば、常に新しい記事のタイトルが表示されるなど、自動的に更新される動的なページも作れます。
01
Superは、Notionを使ってサクッとWebサイトを作成できるサービスです。Notionのページをそのまま独自ドメインで公開することができるので、サイトの更新もNotionでできます。
02
まずはSuperのアカウントを作成します。「SIgn in」へと進み、まだアカウントを持っていない状態なので「Signup」をクリックします。メールアドレスとパスワードを入力しますが、1Passwordなどで強固なパスワードを生成してください。パスワードは頭で覚えられるものであってはいけません。もしSuperのアカウントがハッキングされてしまったら、これから公開するWebサイトやNotionの内容などが改変されてしまうことにも繋がります。必ずセキュリティレベルを高めておきましょう。
03
管理画面はいたってシンプルです。「Community」はSuperのコミュニティサイトで、質問をしたりアップデート情報が入手できます。「Docs」はSuperのドキュメントで、カスタマイズするための情報がそろっています。
04
独自ドメインのWebサイトとして公開したいNotionのページを開いて、「共有」からリンクをコピーします。「Webで公開」がオンになっていないとリンクを取得できないので注意してください。
05
Superの管理画面の「Sites」から「New site」をクリックします。Webサイトの名前を入力して、先ほどコピーしたNotionのリンクをペーストします。
06
「Details」は、Site NameとNotion Page URLの変更ができます。
「Pages」は、Notionのページ構成が反映されています。それぞれのページにCustom Codeを書いたりできます。
次に「Options」の部分です。
「Site Language」は、左から右だけではなく、右から左へと読む言語にも対応するための設定なので、日本語はあまり関係ないと思います。
言語を日本語に変更する場合は、セレクトボックスを選択して、キーボードの「J」を押すと「Japanese」に行くかと思いますので、選択して「Save」してください。
「Site Favicon」は、ブラウザのタブや、ブックマークに追加したときに表示されるアイコン画像です。
「Search Engine Indexing」は、検索エンジンからのクロールを防いで、検索結果に表示されないようにできます。
「Page Properties」は、ページのプロパティを、Notionと同じように表示させるかどうかです。見せたくない場合はDisable、Notion的な表示をしたいならEnableです。
「Database Views」は、データベースのビューを、Notionと同じように表示させるかどうかです。見せたくない場合はDisable、Notion的な表示をしたいならEnableです。
「Site Search」は、Super特有の機能で、サイト内検索のエリアを追加するかどうかです。
「Calendar start day」は、週の始まりの曜日です。
「Code」は、Notionだけではできないような、HTMLのheadとbody、CSSをカスタマイズすることができます。
「Theme」は、カラー、ナビゲーション、フッター、フォントなどをカスタマイズできます。
「Domains」を選択して、「Custom Domain」の「Add a custom domain」を選択します。$12/月の請求がされますので、問題なければクレジットカード番号を入力します。必要なくなったら、管理画面からSubscriptionのキャンセルができます。
07
支払いが完了したら、カスタムドメインを設定します。今回は、ドメインの頭に「roadmap.」がついたサブドメインを設定していきます。
08
ドメインを管理しているサービス側で、DNSレコードの設定を行います。ここは、ドメイン管理サービスごとに異なりますが、今回は、お名前.comの管理画面で設定します。「DNSレコード設定を利用する」から、「CNANEレコード」を追加します。「TYPE」を「CNAME」にして、「ホスト名」にサブドメインを入力します。「Value」は、Superの管理画面に表示されているものを入力します。
09
「Domain」からステータスを確認すると、無事に接続されているのがわかります。
10
設定したサブドメインでアクセスしてみて、Notionのページが表示されれば完了です。
だいたいの場合が数分でアクセスできるようになります。数時間〜数日たってもアクセスできない場合は、設定を見直してみましょう。
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Super — Build websites with Notion
チームで導入するためのポイント
Notionはひとりで使ってもいいし、複数人で共有、コラボレーションする場合も強力なツールです。
議事録の管理、ドキュメントやナレッジの共有、プロジェクト管理など、少しずつワークフローの中に組み込んでいくことで、Notionはどんどん身の回りの課題を解決してくれるツールとなります。
つまり、Notionを使うためにNotionを導入するのではなく、すでに何かの目的のため使っているツールを、Notionに1つずつ置き換えていく。その置き換えの過程で、これまで見えなかったものが見えてきたり、良いきっかけになったりするものです
ドキュメントを作成している時に、覚書きや、いますぐにできないからタスクとしてスタックしたい時に、コメントを書いておくと、未解決コメントとして残ります。Notionをひとりで使うときにも便利な機能だし、これをチームで使うときは@で誰かをメンションすることができます。タスクが完了したら「解決」をクリックします。
関連リンク
チームの全アクションを把握できる、エンジニア向けプロジェクト管理システム(Notion公式サイト)
Notionの最新情報を入手する
Notionに限らずなのですが、ツールの使い方は、1から100まで順番に学ぶようなことではなく、自分の目的に合わせて必要なものを中心として、スキルを吸収していくのが良いと思います。
最初から順番にすべてを学ぼうとすると、なかなか最終目的地まで辿り着けません。新しいことを学ぼうとするときは、決して身構えずに、日常の流れの中に取り込んでいってください。人生は常に準備状態であり、完全な状態はないことを思い出してください。
NotionのTwitter公式アカウントから、十分な最新情報は得られるかと思います。
意外と近くに、Notionアンバサダーや、野生の野良Notionエヴァンジェリストや、Notion芸人がいるかもしれませんね。