畑のチョップドサラダ(AM5:30)【糀Café】
――時に、非日常が訪れる。畑作業をしている近所のおじいちゃんが、その日にとれた野菜を持ってきてくれる。
インターホンは鳴らさず、家のどこかの窓を叩いて「おーい」と呼ぶ声が聞こえる。
いつか聞いた話では、作った野菜は自分だけでは食べきれないので、ほとんど人にあげているそうだ。
本当に毎日毎日、畑の様子を見にきては何か作業をしている。
――時に、非日常が訪れる。僕は夢の中にいて、遠くから呼ぶ声に意識を取り戻した。窓を叩いて「おーい」と呼ぶ声が聞こえる。朝5:30だった。
同じ朝でも、時間帯で鳥の鳴き声は変わる。スズメやキジ、ムクドリやカラス、トンビやサギ。
次々に現れてはどこかへ去っていく。今日みた鳥は昨日と同じ鳥だったのか、僕にはわからない。
近所のおじいちゃんは、同じ「近所のおじいちゃん」だ。鳥のように気まぐれで、いつも忘れた頃に野菜を持ってきてくれる。
今日という日に生まれたサラダに、僕は名前をつけることにした。
畑のチョップドサラダ【AM5:30(あさごじはん)】