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ブランドを商標登録する【はじめての手続き】

もくじ

ブランドを商標登録する【はじめての手続き】

01. 商標権ってなに?取得するメリットは?

商標権は、オリジナルのサービス名や商品名、ロゴマークを持っている場合、それをしっかりと「自分のもの」として保護するための権利です。

自分のもの

商標権を持っていると、類似したまぎらわしい商標の使用をコントロールすることができます。

他の人が悪意を持って商標を使用することがあれば、裁判所に対して使用差し止めや損害賠償を請求することができます。

ライセンス

また、自分の商標を独占するだけではなく、他の人に有償もしくは無償でライセンスすることもできます。

商標権は、どちらが先にその商標を使い始めたかではなく、どちらが先に商標登録の出願をしたかが重要です。

先に商標登録の出願

自社が使っているサービス名を、他社が先に商標登録してしまうと、自社はそのサービス名を使うことができなくなります。

そうなると、サービス名の変更にともなうロゴの変更や、Webサービスであれば、URLの変更も余儀なくされるかしれません。

それまで築き上げてきたものが崩れて、まるで自社のサービスの方が「バッタもん扱い」されかねません。

PDF

他にも、特許庁のWebサイトに、とてもわかりやすくまとめられたPDFがありますので、目を通してみてください。

商標の活用事例集「事例から学ぶ 商標活用ガイド」

初めてだったらここを読む~商標出願のいろは~

02. 商標登録の流れ

商標登録の流れです。

商標を調べる

まずは、類似した商標がないか自分で調べます。

出願「3,400円+(8,600円×区分数)」

そして商標登録の出願をします。

この時に、区分数に応じた出願料を支払います。

審査

書類の形式に問題がないかの「方式審査」と、商標録録ができるかの「実体審査」が行われます。

登録査定

審査に問題がなければ、「登録査定」となります。

登録料の納付「32,900円×区分数」

登録料の納付をします。

令和3年特許法等改正に伴う料金改定のお知らせ(令和4年4月1日施行)

登録完了

そして登録完了です。

ここまでに何か問題があれば通知が届くので、修正を行います。

商標登録が拒絶された場合、その内容に対して異議があれば意見書を提出します。

商標の拒絶理由通知書を受け取った方へ | 経済産業省 特許庁

商標を検索

登録された商標を検索してみましょう。

登録商標の「登録公報発行日」から2ヶ月間は、ステータスが「存続-登録-異議申立のための公告」となって、この商標に対して異議申立てができる期間となります。

これは、他の人が登録した商標が、自社の登録商標と類似している場合などに、異議申し立てを特許庁に提出することができる期間です。

03. 登録するもの

商標登録するものとして、まず優先順位が高いのは、ロゴなどの図形よりも「標準文字商標」です。つまり、サービス名そのものです。

標準文字商標

「標準文字商標」とは、タイポグラフィやロゴのデザインに関係なく、文字の羅列そのものに対する商標です。

ロゴ商標やシンボルは、デザイン変更することがありますが、ブランド名やサービス名は変わらないものですよね。

たとえばNikeのシンボルマークは「ロゴ商標」で、「Nike(ナイキ)」の文字列は「標準文字」なので、それぞれ商標登録する必要があります。

音商標

他にも、CMで使われるようなサウンドロゴを「音商標」として登録することもできます。

標準文字商標とはどのようなものですか?|独立行政法人工業所有権情報研修館

04. 出願前に先行商標調査

商標を出願する前に、読み方が類似しているものがないか調べます。

先行商標調査

特許情報プラットフォーム j-PlatPatのWebサイトで、「商標」のラジオボタンにチェックを入れて、とりあえず知ってるブランドやサービスを検索してみましょう。

ちなみにWebサイトで、複数の選択肢の中からひとつを選ぶこのUIを「ラジオボタン」と呼びます。ラジオの選曲ボタンが由来みたいですよ。

J-PlatPat|特許情報プラットフォーム https://www.j-platpat.inpit.go.jp

[INPIT]パンフレット・マニュアル・講習会テキスト等の提供 | 独立行政法人 工業所有権情報・研修館

メンテナンス

ちょいちょいメンテナンスがあるので、サーバー稼働状況を確認しておきます。

特許庁サーバの稼働状況とメンテナンス情報

特許庁の公式Xアカウント

J-PlatPatの公式Xアカウント

05. 区分って?

商標には区分があります。

ここが一番とっつきにくい印象ですが、ビジネスモデルが明確であれば、順を追ってみていくとそれほど難しいものでもないです。

区分

区分はカテゴリーのことで、自分で何か作成するものではなくて、すでに用意されているカテゴリーの中からふさわしいものを選択します。

類似商品・役務審査基準〔国際分類第9版対応〕 | 経済産業省 特許庁

たとえば「飲食店」の商標であれば、第43類の区分であることがわかります。

1つの商標で2つの区分

Webサービスを提供するブランドであれば、だいたい区分は2つになるかなと思います。

ブラウザのキャッシュのことはいったん忘れて、そのデータがブラウザでの閲覧やストリーミングのみなのか、ローカルにデータをダウンロードして、オフラインでも閲覧できるものなのかの違いです。

このどちらにもあてはまる場合は、両方に登録する必要があるので、1つの商標に対して2つの区分に登録することになります。

この区分が増えれば登録料も増えていくので、できれば1つか2つくらいに収めたいですよね。

第9類|ダウンロードするもの

第41類|ダウンロードせずにWebブラウザで閲覧するもの

06. 書類を記入する

書類を記入して出願します。

Windowsはネットで出願できますが、Mac版の提供が終了してしまったので、ここでは紙の書類を作成します。

電子出願ソフトサポートサイト

書類をダウンロードする

書類をダウンロードします。

手書きの必要はないので、PDFかWordの書類に入力をして、それをプリントアウトして、封筒に入れて切手を貼って郵送します。

各種申請書類一覧(紙手続の様式) | 独立行政法人工業所有権情報研修館

商標登録出願書類の書き方

全14ページの中に、要点がしっかりまとめられています。このガイドに従って、1つづつ順を追って書いていけば完成します。

商標登録出願書類の書き方ガイド

出願の整理番号

整理番号は、ローマ字とハイフンと数字を自由に組み合わせて、10文字以内に収めます。商標登録には影響しないので、あくまでも申請の間だけの整理番号です。

説明のために入っている「様式見本」や注意書きは削除しましょう。

標準文字は、全角で、フォントとサイズも同一で、1行で横書きで入力します。

商標の称呼

不思議に思うところですが、標準文字商標の「読み方」を記載する項目はありません。どの読み方が適切かは特許庁が決めます。

なので、J-PlatPatで表示されている読み方は、実際の読み方とは異なることもあります。検索のための読み方が「情報」として登録されているだけです。

区分

「指定商品又は指定役務並びに商品及び役務」の区分は、全角カンマで区切って書いていきます。

区分は、他の法律との兼ね合いによって、時代にあわせて更新されていきます。なので、あまり古いサンプルは、書き方の参考にならないことが多いです。

書留で送る

出願手数料は、特許印紙という、見た目は切手のようなもので支払います。

特許印紙は郵便局の本局で購入できます。近所の郵便局支店では扱っていないことがあるので、都道府県の県庁所在地にある中央郵便局のような大きな場所に行きます。

事前に郵便局に電話して、特許印紙の在庫を確認しておくのが確実です。

07. 電子化料金払込用紙

しばらくすると、電子化料金払込用紙が届きます。

紙の書類で出願したので、それを電子化するための料金です。

郵便局や銀行で支払います。

08. 出願番号通知

またしばらくすると、出願番号通知が届きます。

出願番号が付与されたことを通知するもので、内容に間違いがなければ、特に何もすることはありません。

09. 識別番号通知

そして、識別番号通知が届きます。

こちらも、内容に間違いがなければ、特に何もする必要はありません。

10. 登録査定

前回から4ヶ月後、無事に登録査定が届きました。

登録料の支払い

30日以内に登録料の支払いをします。

10年分一括と、5年分ずつ2回に分けての分割支払いができます。

今回は区分が2つなので、65,800円になります。

商標登録料納付書をダウンロードして入力します。プリントアウトしたら、郵便局に向かいます。

商標の登録査定を受け取った方へ | 経済産業省 特許庁

特許印紙

郵便局で65,800円分の特許印紙を買って、自分を信じて、おもいきって貼りましょう。

書留

乾いたら封筒に入れて、書留で郵送します。通常の「書留」と「簡易書留」がありますが、追跡できる内容と賠償額に違いがあるので、通常の「書留」で送ります。

11. 受領書

前回から3週間後、受領書が届きました。

あとは待つだけです。

12. 商標登録証

「商標登録証」が届きました。

13. 海外でも商標登録する

商標登録の効力は日本国内のみです。

マドプロ出願

海外でも商標を保護する場合は、それぞれの国ごとに出願するか、マドリッド協定議定書(Madrid Protocol)に基づく商標の国際登録出願、通称「マドプロ出願」によって複数の国に対して一括出願する方法があります。

「マドプロ出願」は、たとえば日本の運転免許証を持っていれば、日本がジュネーブ条約を結んでいる国に対しては、手続きだけで国際運転免許証が発行されるように、簡単なショートカットが用意されているみたいなものです。

国際出願(商標) | 経済産業省 特許庁