はじめに
全体の流れ
このコースでは、フィルムカメラについて学んでいきます。
- フィルムの種類。
- フィルムをセットする。
- 撮影のゴールデンルール。
- 撮影が終わったら、フィルムを巻き上げる。
- フィルムを現像してプリントする。
- フィルムを郵送する。
フィルムカメラって?
はじめに
「KODAK EKTAR H25」と「LOMO LC-A+」という、2つのフィルムカメラを使っていきます。
「KODAK EKTAR H25」は、ハーフフレームのフィルムカメラです。
通常の1フレームを2分割して、たとえば24枚撮りのフィルムであれば、倍の48枚撮影できます。
横位置の写真を半分にするので、普通に撮影すると縦位置の写真になります。
「写ルンです」のフィルム交換ができるバージョンといった感じで、フィルムも有効に使えるし、とても時代にあったカメラだと思います。
一方で、「LOMO LC-A+」は、通称「ロモカメラ」。カルト的なファンを持つ「トイカメラ」です。
ここでは、
- フィルムのサイズ
- フィルムのカラー
- フィルムの感度
- フィルムの撮影枚数
- フィルムカメラの種類
- フィルムの保存
について、ざっくりとお話していきます。
フィルムのサイズ
- 35mm
- APS
- ポケット(110フィルム)
- ブローニー(120フィルム)
- シノゴ(4×5インチ)
- バイテン(8×10インチ)
などがあります。
フィルムのカラー
- ネガ(カラーネガ)
- ポジ(リバーサル)
- モノクロネガ(白黒フィルム)
があり、今回はカラーネガを使います。
フィルムの感度
- ISO100:晴天の屋外
- ISO200:明るい場所
- ISO400:明るい室内〜少し暗い場所
- ISO800:暗い室内
などがあります。
フィルムを1本撮り切るまで、途中でフィルムを交換することができません。
フィルムの撮影枚数
- 24枚撮り
- 36枚撮り
が一般的です。
フィルムカメラの種類
そのカメラにあったサイズのフィルムを選ぶ必要があります。
ここでは、35mmのフィルムカメラ本体と、35mmのネガフィルムを使います。感度と撮影枚数は適当に。
フィルムの保存
Lomography(ロモグラフィー)から、クセのあるフィルムが販売されています。
フィルムをすぐに使わない場合は、ジップロックなどで密閉して冷蔵庫で保存します。
使う前に常温に戻しますが、いきなり暖かい場所に出すとフィルムが結露するので、ジップロックで密閉したまま常温に戻します。
関連リンク
フィルムの入れ方@KODAK EKTAR H35
カメラにフィルムをセットする
カメラにフィルムをセットします。
白手袋をつけますが、通常は素手で大丈夫です。
データ化する前の、オリジナルのネガフォルムやポジフィルムに触れる時は、傷がつかないように白手袋はおすすめです。
フィルムの箱を開けていきます。
ちなみにこのフィルムは、有効期限が2009年で、「期限切れフィルム」と呼ばれるものです。良くも悪くも劣化したフィルムなので、思いもよらない色味(カラーバランス)やコントラストで撮影することができます。
色がくすんでいたり、真っ黒でなにも映らないこともあります。
パッケージもパキッと開きませんね。
10数年越しに目を覚ましたフィルムです。
「KODAK EKTAR H35」にフィルムを入れていきます。
カメラの裏蓋を開けて、「巻き戻しクランク」をあげます。
向きに注意してフィルムを入れます。
「巻き上げノブ」を少し回すと、フィルムを差し込む穴が出てくるので、その穴にフィルムを差し込みます。
そして1周くらい巻き取ります。
裏蓋を閉めます。
カウンターが「1」になるまで、「巻いて、シャッターを押す」を繰り返します。
これでフィルムのセットが完了しました。
「KODAK EKTAR H35」の特徴ですが、フラッシュ用の単4電池はここから入れます。フラッシュを使わない場合は入れなくてもいいので、電力なしで撮れるカメラです。
フラッシュを発光させるときは、このリングを回します。新品はめちゃくちゃ硬いので、10数回カチカチやってるとだんだん柔らかくなってきます。
フラッシュが発光するところにカラーフィルムを貼ってみたり、工夫次第でおもしろい写真が撮れると思います。
撮影する
ロモグラフィー10ゴールデンルール
トイカメラで撮影するとき、ファインダーからのぞき込んで構える必要なんてありません。
Lomography(ロモグラフィー)には、10個のゴールデンルールがあります。
- どこに行くにもLomoをつれていこう。
- 昼でも夜でもいつでも撮ろう。
- Lomographyは人生のジャマじゃなく、人生の一部です。
- オシリの位置からも写してみよう!
- できるかぎり被写体に接近して撮ろう。
- 考えるな! (William Firebrace)
- 早く!速く!
- フレームにどうおさまるかなんて、知ろうとしなくてOK!
- 何が写ったか、わかんなくてもOK!
- ルールなんかないさ!!
関連リンク
ロモグラフィー10ゴールデンルール · Lomography
フィルムを取り出す@LOMO LC-A+
フィルムを取り出す
撮影が終わったら、フィルムを取り出します。
フィルムは少し余裕を持って作られているので、24枚撮りや36枚撮りとなっていても、だいたい何枚か多く撮れます。
「巻き上げノブ(レバー)」が固くて回らなくなったら撮影終了です。
このまま裏蓋を開けると、撮影した画像が真っ白になってしまうので、まずはフィルムをすべて巻き取ります。
「巻き戻しボタン」をしっかりと押して、ロックを解除します。これで、撮影の時とは逆の方向にフィルムを巻き取ることができます。
「巻き戻しクランク」のレバーを起こして、フィルムを巻き取っていきます。回す方向はカメラによって違うので気をつけてください。矢印があると思います。
巻き取りが終わると急に軽くなった感覚がありますので、裏蓋を開けてフィルムを取り出します。
「LOMO LC-A+」の場合は、「巻き戻しクランク」のレバーを引っ張って裏蓋を開けます。
撮影が完了したフィルムは、隙間から強い光が入り込まないようにケースに入れます。
「LOMO LC-A+」の特徴ですが、いちおうレンズカバーがあります。
ピント合わせはざっくりと4段階です。
撮影枚数をカウントする「フィルムカウンター」は、ほとんど機能しません。フィルム交換5回に1回くらいカウンターが機能すればラッキーです。これは故障ではなく仕様です。
ロモカメラはそういうカメラで、ちゃんとした写真を撮りたいときは、スマホを使いましょう。
現像とプリント
フィルムを現像してプリントする
フィルムを現像してプリントします。
現像は、フィルムを薬品で処理して、画像を浮かび上がらせて、定着させることです。
現像する前のフィルムは、光を当てるとその姿を映しとる「生」の状態です。
現像してはじめて、撮影した画像が「固定」されます。
この現像されたネガフィルムをもとに、印画紙にプリントしたり、フィルムスキャナーでデータ化できます。
現像は、場所と道具をそろえれば、自分で現像する方法もありますが、最初はお店にお願いするのがベターです。
カメラ屋さんに直接持ち込む方法もありますが、郵送でフィルムを発送する方法もあります。
発送での受付に対応しているフィルム現像サービスを、いくつか関連リンクに載せておきますね。
関連リンク
郵便と切手
フィルムを郵送する方法
フィルムを郵送する方法です。
フィルムケースのままだと3cmを超えてしまうのですが、取り出せば3cm以内に収まります。
重さも1本20gほどですね。
重さが1kg以内、サイズの厚みも3cm以内なので、「定形外郵便物」の「規格内」となります。
フィルム2本であれば「50g以内」なので、120円で郵送できます。
切手はコンビニでも扱っているところがあるし、郵便局のネットショップでも購入できます。
切手を貼ったら、郵便ポストに入れればOKです。真夏とか真冬とか、フィルムの劣化が心配だったら、郵便局の窓口に行きましょう。