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映画品質の動画制作!iPhoneで撮影して、DaVinci ResolveでHDR動画編集

もくじ

はじめに

iPhone用のカメラアプリ「Blackmagic Camera」で動画を撮影をして、「DaVinci Resolve」でHDR動画を編集します。

はじめに

DaVinci Resolveでは、

  • メディアでファイルを管理
  • カットでざっくり編集
  • エディットで編集
  • Fusionでエフェクト
  • カラーで色調整
  • Fairlightで音調整
  • デリバーで書き出し

をします。

その他にも、DaVinci Resolveのおすすめ設定や、クローズドキャプションの追加や、Dehancerを使って動画をフィルムライクに仕上げる方法にも触れていきます。

必要なもの

必要なものはiPhoneとMac、そして動画編集アプリのDaVinci Resolveです。

DaVinci Resolveは無償版と有償版がありますが、無償版でもほとんどの機能が使えるので、まずは無償版を十分に使ってみることができます。

メインの動画編集アプリとして使うためには、どこかで有償版が必要になってくると思うので、そのタイミングで購入するのがいいと思います。

  • 無償版|DaVinci Resolve
  • 有償版|DaVinci Resolve Studio

DaVinci Resolve 18 | Blackmagic Design

公式の情報が重要

何ごともまずは、公式サイトの情報です。

DaVinci Resolveも、Webサイトにトレーニングビデオや、PDFのトレーニングブックがアップされているので、リンクを参照してください。

他にも、YouTubeに日本語の公式のチュートリアル動画もあるので、知りたい内容に合わせて情報を得られます。

DaVinci Resolve & ATEM チュートリアルビデオ集|YouTube

DaVinci Resolve 18 – トレーニング | Blackmagic Design

DaVinci Resolve 18 入門講座 - YouTube

動画を倍速再生するのもいいし、ChatGPTの「Video Insights」を使ってテキストの書き起こしをしたり、内容を要約したり、目的の部分をピックアップして必要な部分だけをみることもできます。

まずはDaVinci Resolveを使ってみる

DaVinci Resolveは、0.1のマイナーアップデートでもかなりの機能が追加されます。

常に不完全であり、常に進化し続けているものなので、すべての機能を把握することにリソースを注ぎ込まずに、まずは最低限の機能を理解しながら動画を作り上げていくことが大切です。

iPhoneでBlackmagic Cameraアプリを使って動画撮影する

Blackmagic Camera

フレームレートやシャッタースピード、ホワイトバランスや ISO感度などを、マニュアルで調整して動画撮影できます。

また、iPhone 15 Proでは、撮影する動画データを、直接外部ストレージに保存することができるので、データ容量の大きいProResも扱いやすくなりました。

Blackmagic Camera | Blackmagic Design

Blackmagic Cameraの仕様

純正のカメラアプリとの違い

Apple純正のカメラアプリは、撮影に必要な設定を自動でやってくれるので、瞬時に撮影を開始できる良さもありますが、メリット/デメリットがあります。

たとえば動きのあるものを撮影すると、明るさのバランスやピントが変わってしまうので、こういった状況では設定値を固定して撮影したいところです。

また、光が点滅してしまうフリッカー現象を防ぐために、シャッタースピードを変更できます。

なので、それぞれの良さを活かして、純正のカメラアプリは、臨場感のある動画を撮影するような、アクションカメラのような使い方。

Blackmagic Cameraアプリは、一眼レフのように立ち止まって風景を撮るといったように、状況によってアプリを使い分けることができます。

マウントする

Peak Designの「EVERYDAY CASE for iPhone」と、マウントするための「MOBILE CREATOR KIT」、それをショルダーベルトに固定する「CAPTURE」を組み合わせることで、iPhoneをザックのショルダーベルトに取り付けることができます。

たとえば山登りやハイキングで、アクションカメラのようにiPhoneで動画撮影ができます。

Everyday Case for iPhone 15 Pro V2 | Peak Design Official Site

Mobile Creator Kit | Peak Design Official Site

Capture Camera Clip | Peak Design Official Site

他にも、自転車用のマウントに取り付ければ、走行中にマップを確認したり、ワークアウトを表示させることができます。

Out Front Bike Mount V2 | Peak Design Official Site

Peak Designの公式サイトか、日本の代理店から購入できます。

Bags + Camera Gear | Peak Design Official Site

ピークデザイン | 銀一株式会社

水中での撮影

海の中の映像ですが、これすべてiPhoneで撮影しました。

このペリカンのケースにiPhoneを入れて、さらにレンズが曇らないように、乾燥剤も一緒に入れました。

カメラモードは、シネマティックではない通常の「ビデオ」での撮影で、倍率を「0.5x」の超広角レンズにすると、水中でも比較的、全体にピントがあって、いわゆるアクションカメラで撮ったような雰囲気になります。

水に浮きますが、そんなに浮力が強くないのと、波にさらわれることも考えて、ストラップをつけられます。

Pelican|Marine Waterproof Floating Pouch

DaVinci Resolveで始めるHDR動画編集

1. 編集の流れ

DaVinci ResolveでHDR動画の編集をします。

DaVinci Resolveでは、

  • メディアでファイルを管理
  • カットでざっくり編集
  • エディットで編集
  • Fusionでエフェクト
  • カラーで色調整
  • Fairlightで音調整
  • デリバーで書き出し

をします。

ページはすべて連動しているので、ほとんどの作業をエディットページだけで行ってもいいし、使わないページがあっても問題ないです。

新規プロジェクトを開いたら、ウインドウ下にあるボタンをクリックすることで、ページを切り替えられます。

テキストラベルを表示したい場合は、「Control^ + クリック」で表示できます。

2. メディア

メディアページは、動画編集に必要なファイルを読み込んで管理する場所です。

フォルダ構成やその命名規則を決めた上で、メディアプールに読み込みます。

「ビン」はフォルダのことです。ローカルのフォルダ構成と同じにしておくとわかりやすいでしょう。

サブフォルダごと読み込めば、そのフォルダ構造もDaVinci Resolveで維持されます。

メディアストレージロケーション|メディア

ファイルを読み込む時のデフォルトの場所を設定しておきます。

DaVinci Resolveのメニューバーから「環境設定」を開いて、「システム」タブを選択します。

サイドバーの「メディアストレージ」を選択して、「追加」ボタンから、デフォルトで表示させたい場所を指定します。

メディアページの左上の「メディアストレージ」に表示されるようになるので、簡単に辿り着けるようになります。

データのアーカイブ|メディア

たくさん動画編集をしていくとプロジェクトがたまってしまうので、動画編集が終わって書き出しをしたあと、作業データをアーカイブします。

いつかまた再編集したり、データの一部を利用するときのために、わかりやすく整理します。

データのアーカイブにはいくつか方法がありますが、ここでは「プロジェクトアーカイブの書き出し」をします。

プロジェクトマネージャーを開いて、プロジェクトファイルを右クリックもしくは「Control^ + クリック」して「プロジェクトアーカイブの書き出し…」を選択します。

これで、プロジェクトで使われている動画クリップや画像などのファイルはすべて書き出しされますが、psdやaiなどの作業データはプロジェクトに読み込んでいないことがあるので、漏れがないように整理します。

なので、最初からアーカイブを考慮してフォルダ構成を整理しておくのがいいでしょう。

一例ですが、このようなフォルダ構成にします。

  • _Audio(オーディオファイル)
  • _Footage(動画クリップ)
  • _Image(画像ファイル)
  • _Title(タイトル画像)
  • Material(作業データと素材)
  • Render(書き出した動画ファイルとクローズドキャプション)
  • Thumbnail(サムネイル画像)

_(アンダースコア)から始まるフォルダは、DaVinci Resolveのプロジェクトに読み込むものです。

この4つのフォルダは「プロジェクトの書き出し」をしたあとは、ファイルが重複するので必要なくなります。

PhotoshopやIllustratorなどの作業データは「Material」フォルダに保存します。

こうすることで、アーカイブの時にデータが漏れることはないでしょう。

3. カット

カットページは、スピーディーにカット作業を行えるように設計されていてます。

大まかな構成を作って、ザックリと粗編集ができます。

Speed Editorでさくさくカット編集|カット

カットページでの作業を最大限に効率化するために、専用キーボードの「Speed Editor」を使っていきます。

DaVinci Resolveのカット編集は、古来からある3点編集がもとになっているのですが、それぞれのクリップの開始点と終了点、つまりIn点とOut点を決めて、そのクリップをタイムラインの任意の位置に追加していきます。

この作業を素早く繰り返して、全体の構成を作っていきます。

使うのは、いくつかのキーと、サーチダイヤルのみです。

ソーステープでクリップを確認|カット

ソーステープを使って、読み込んだすべてのクリップを確認していきます。

ビューアウインドウの上にある「ソーステープ」をクリックします。

Speed Editorでは、専用のキーを押します。

ソーステープモードでは、読み込んだクリップが10個あったとしても、それらが1つのクリップのように表示されます。

ビューアウインドウの下にある「ジョグホイール」でスクラブ再生します。

Speed Editorでは、サーチダイヤルで操作します。

「ファストレビュー」をクリックすると、各クリップの長さに応じて、再生速度を自動的に変更しながら、すべてのクリップを再生することができます。

長いクリップは早く再生されて、短いクリップはゆっくりと再生されるので、すべてのクリップを見逃しません。

ここで、頭の中でざっくりと編集を完了させて、あとは手を動かすだけです。

ソーステープとタイムライン|カット

ソーステープとタイムラインを切り替えて、カット編集を進めます。

ソーステープでIn点とOut点を決めて、タイムラインに配置していきます。

In、Out、アペンド

In、Out、場所を選んで、インサート

In/Outでトリムして、アペンドでタイムラインの一番最後に追加するか、スマートインサートで途中に追加していきます。

スマートインジケーターがいい感じに機能してくれるので、正確な場所を指定しなくても、だいたいの場所でいけます。

In、Out、アペンドで末尾に追加

In、Out、場所を選んで、スマートインサートで挿入

タイムラインで、トリムイン/トリムアウトの調整も簡単です。

Speed Editorでは、サーチダイヤルの挙動を、ジョグとスクロールのボタンで切り替えられます。

ジョグモードでは1周で60フレーム、スクロールモードでは1周で1分進みます。

ソーステープは、メディアプール内のクリップと同じ順番で表示されるので、ファイル名や撮影日時など、やりやすいように「メディアの並び替え」で変更します。

Speed Editorでできることは、公式サイトのページでだいたい網羅されています。

DaVinci Resolve 18 – キーボード | Blackmagic Design

また、公式のチュートリアル動画があります。

2倍速でも十分理解できるかと思いますので、ざっとみておくといいと思います。

DaVinci Resolve 17 新機能 | Speed Editor

4. エディット

エディットページでは、Adobe Premiere Proや、AppleのFinal Cut Proなど、一般的な動画編集アプリのタイムラインと同じように、タイトルやオーディオの追加や、エフェクトやトランジションを設定していきます。

ここでは、よく使う操作をいくつか紹介していきます。

タイムラインの幅、トラックの高さ|エディット

「Option⌥ + マウススクロール」で、タイムラインの幅、「Shift⇧ + マウススクロール」で、トラックの高さを変更できます。

トランジションを追加|エディット

タイムラインで編集点を選択して「Command⌘ + T」を押すと、トランジションが追加されます。

デフォルトでは「クロスディゾルブ」になっていますが、変更する場合は、エフェクトライブラリを開いて、右クリックか「Control^ + クリック」して、「標準トランジションに設定」で変更します。

ダイナミックズーム|エディット

インスペクタの「ダイナミックズーム」をオンにすると、自動的にズーム効果を追加できます。

微調整する場合は、タイムラインビューアの左下のドロップダウンをクリックして、「ダイナミックズーム」を選択します。

緑の境界ボックスは開始フレーム、赤の境界ボックスは終了フレームを表しているので、位置や大きさを調整します。

調整クリップ|エディット

複数のクリップにエフェクトをかけて、あとから再調整もしやすいという意味で、エフェクトを適用するときは、調整クリップを使うことが多いと思います。

調整クリップ自体は、なんの効果も持たないクリップです。

画像編集アプリのレイヤーと同じで、エフェクトを適用した調整クリップから、下にあるトラックすべてに、エフェクトが適用されます。

トラックがたくさんある場合に、目的のトラックだけにエフェクトを適用させたいときは、複合クリップにするなど工夫が必要です。

属性をペースト|エディット

クリップに適用した効果を、他のクリップにも同じように適用したい場合は、「Command⌘ + C」でコピーしたあとに、ペーストしたいクリップを選択して、「Option⌥ +V」で「属性をペースト」できます。

この「属性をペースト」は、エディット以外のページでも使えます。

マスク|エディット

マスクに使うアルファチャンネル画像を用意します。

ここでは、白い部分は表示されて、透明の部分がマスクされて隠されます。

マスク用の画像の、合成を「アルファ」にします。

さらに、マスク画像の上に、マスクされるクリップをおいて、合成を「前景」にします。

これで、マスクされました。

パワービン|エディット

パワービンは、他のプロジェクトでも使える、タイトルなどの素材を置いておく場所です。

デフォルトでは表示されていないので、メディアプールを表示して、「…」設定ボタンから「パワービンを表示」をオンにします。

これで、パワービンにドラッグすることで、素材を保存できるようになりました。

5. Fusion

Fusionページでは、エフェクトを作成します。

ここでは、テンプレートを使ってテキストアニメーションを追加します。

エディットページで、エフェクトパネルから「タイトル」を選択します。

「Fusionタイトル」の中から、何か選んでタイムラインにドロップします。

Fusionページに移動してノードをダブルクリックすると、このFusionタイトルがいくつかのノードで構成されていることがわかります。

Fusionページでは、ノードベースのワークフローで様々なエフェクトを作成できますが、少し複雑なので、初めはまったく使わなくても問題ありません。

6. カラー

カラーページで、カラーコレクションやカラーグレーディングを行います。

プレビューでみた感覚は絶対的ではないので、スコープでグラフをみます。

カラーページの右下にある「スコープ」ボタンをクリックして、今回は「パレード」を選択します。

ノードを制御する|カラー

色調整するときは、ノードを追加します。

ノードは、Photoshopなどの画像編集アプリの「レイヤー」を、立体的にしたようなものです。

ひとつのノードで色んな色調整をするのではなく、明るさ調整だけのノードや、色かぶり補正だけのノードなど、それぞれ分けた方が使いやすいことが多いです。

カラーホイール|カラー

プライマリーのカラーホイールを選択します。

リフトはブラックポイント、ガンマは中間、ゲインはホワイトポイント、オフセットは全体というように、調整する領域が4つに分かれています。

オフセットの「マスターホイール」を左右にドラッグして、明るさを調整します。

オフセットのカラーホイールの「カラーインジケーター」をドラッグして、カラーバランスを調整します。

取り消す場合は、リフト、ガンマ、ゲイン、オフセットそれぞれの右上にあるリセットボタンを押すか、カラーホイールのパネルの右上にある「すべてをリセット」ボタンを押します。

7. Fairlight

Fairlightページでは、オーディオトラックの編集を行います。

映像体験の半分は音が占めると言われるように、重要な要素です。

タイムラインのオーディオトラックの順番は、

一番上にダイアログ (ナレーション)

次にサウンドエフェクト(SE)

一番下にBGM(音楽)

という一般的な順番を目安にします。

カラー調整の時と同じように、音も視覚的にみます。

ミキサーで音量をみたり、Frequency Analyzerで視覚化します。

オーディオレベル |Fairlight

それぞれのオーディオレベルを調整します。

BGMは-20〜-30dBの範囲、

SEは-10〜-30dBの範囲、

ナレーションであれば、-12dBを平均として-10〜15dBの範囲に収まるように調整します。

ビデオプレビューを表示する|Fairlight

「タイムライン表示オプション」をクリックして、「ビデオトラック」を表示しておきます。

さらに、メニューバーの「ワークススペース」から、「Fairlightビューア」も表示しておきます。

Dialogue LevelerとVoice Isolation|Fairlight

ナレーションを、より聞き取りやすいように調整していきます。

コンプレッサーとイコライザーを使っていくのですが、それほど雑音も入っていなくて、一定の音量とクオリティで収録された音声素材であれば、そこまでひとつひとつを調整する必要はないでしょう。

オーディオクリップを選択して、「インスペクタ」パネルを開きます。

Dialogue Levelerで音の大きさを一定にそろえて、Voice Isolationでノイズを消します。

今回はこの2つを、音声クリップ単体ではなく、トラック全体にエフェクトをかけます。

オーディオトラックを選択して、ミキサーの「Track FX」から、Dialogue LevelerとVoice Isolationをオンにします。

さらに微調整したい箇所があれば、エフェクトパネルを開いて、「FairlightFX」の「Dialogue Processor」を適用します。

ここには、人の音声の調整に適したパラメーターがまとまっています。

BGMとナレーション|Fairlight

BGMが、ナレーションの聞き取りやすさを邪魔している場合は、インスペクタの「EQ(イコライザー)」から調整します。

ナレーションとかぶっている周波数の帯域を下げておきます。

このように、音量だけではなく、その目的に合わせてオーディオを調整します。

8. デリバー

デリバーページで書き出しをします。

プリセットから選択するだけで問題ありませんが、少しだけ、YouTubeに対応した調整を行います。

ラウドネスの自動調整|デリバー

H.265(HEVC)のプリセットを選択した上で、「オーディオ」タブを選択して、「オーディオのノーマライズ」をオンにして、モードから「YouTube」を選びます。

これで、YouTubeに適した、ラウドネスの自動調整が行われます。

クローズドキャプションを追加する

クローズドキャプションって?

動画に表示される、字幕やテロップと言われるキャプションです。

キャプションの種類は、視聴者側で表示/非表示を切り替えられる「クローズドキャプション」と、動画に焼き付けがされた、誰でも常に表示された状態の「オープンキャプション」があります。

Webサイト制作で、コテコテにデザインされたタイトルを「画像」として配置していた時代がありました。

テーブルレイアウトでデザインされたWebサイトで、使い勝手よりも見た目重視の力技で、Webサイトが「ホームページ」と呼ばれていた時代です。

そこから、コンテクストにあった制作方法に変えていこうという動きに変わっていきました。

テーブルは表組を作成するものだし、テキストを画像にするべきではないとなりました。

そうやってコンテクストにのっとって制作したWebサイトは、検索エンジンが、そこにどんなコンテンツがあるのかを正しく理解できるからです。

動画でも同じようなことが起こりました。検索エンジンやAIなどが、その動画にどんな内容が含まれているかを正しく理解する必要があります。

クローズドキャプションを正しく追加することで、視聴者の利便性が高まるだけではなく、データとしての「動画」が正しく認識されるようになります。

字幕(クローズドキャプション)を追加する

エディットページでエフェクトパネルを開いて、タイトルから「字幕」を追加します。

よく使うものなので、お気に入りに入れておきます。

タイムラインに字幕を追加したら、インスペクタからテキストを入力していきます。

字幕を追加し終わったら、字幕トラックを「Control^ + クリック」して「字幕の書き出し…」をします。

もしくは、デリバーページから動画を書き出すときに、動画と一緒に字幕データも書き出しできます。

「書き出し方法」を別ファイルにして、フォーマットは「SRT(フォーマットなし」」を選択します。

開始タイムコード

メニューバーから「環境設定」を開きます。

「ユーザー」タブを選択して、サイドメニューから「編集」を選びます。

開始タイムコードは、デフォルトでは「01」から始まっていると思うのですが、不具合の原因になるので、これをすべて「0」に変更します。

タイムコードが「01」から始まるのには歴史があるのですが、動画配信サービスではあまり関係がないので「0」にしておきます。

YouTubeにクローズドキャプションを追加する

YouTubeの、動画の詳細画面で、「字幕」を選択して、「ファイルをアップロード」から、字幕データをアップします。

必要なければ、「自動字幕起こし」は削除します。

Vimeoにクローズドキャプションを追加する

Vimeoの、動画の詳細画面で「キャプションと音声」を選択して、「マイアップロード」から字幕データをアップします。

言語は「日本語」、タイプは「キャプション」を選択します。

チャプターを追加する

マーカーを追加する

動画の中で、視聴者がみたい部分を簡単に見つけることができるように、チャプターを追加します。

たとえばYouTubeでチャプターを追加するには、概要欄にタイムスタンプとチャプター名を追加するだけでOKなのですが、これをDaVinci Resolveで設定していきます。

エディットページでマーカーを追加します。

タイムラインに追加するよりも、タイトルやクリップにマーカーを追加した方が、追加で編集を加えた場合に使い勝手がいいと思います。

マーカーを追加して、名前を入力します。この名前がチャプター名になります。

Mキーを2回押すと、サクッと追加していけます。

インデックスパネルを表示して、チャプターを確認します。

デリバーからYouTubeにアップロード

デリバーページで、YouTubeを選択して、「YouTubeに直接アップロード」にチェックを入れます。

すると表示される「マーカーに基づくチャプター」のチェックをオンにします。

YouTubeにアップされた動画の概要欄に、タイムスタンプとチャプター名が追加されています。

動画チャプター - YouTube ヘルプ

DaVinci ResolveでHDR動画のおすすめ設定

3つの設定

HDR動画の編集に適した基本設定を行っていきます。

DaVinci Resolveには3つの設定箇所があります。

1つ目は、メニューバーの「環境設定」。

つまりMacのアプリのほとんどで「Command⌘ + ,」で開ける、アプリの基本的な環境設定です。

2つ目は、ウインドウの右下にある「プロジェクト設定」。

いま開いているプロジェクト単体の設定です。解像度やフレームレート、カラー設定などを行います。

新規プロジェクトを作成したら、まずはこの「プロジェクト設定」をします。

3つ目は、メディアプールのタイムラインを「Control^ + クリック」すると、「タイムライン設定…」があります。

一度タイムラインを作成すると、あとからフレームレートを変更できないので注意が必要です。

基本的には「プロジェクト設定」の内容と同じで問題ないので、「タイムライン設定」を頻繁に変更することは少ないでしょう。

プロジェクト設定でカラーマネジメント

ウインドウの右下の設定アイコンから「プロジェクト設定」を開きます。

サイドバーから「カラーマネジメント」を選択して、カラー設定を行っていきます。

カラーサイエンスを「DaVinci YRGB Color Managed」、カラー処理モードを「HDR DaVinci Wide Gamut Intermediate」にします。

この「HDR DaVinci Wide Gamut Intermediate」は、「HDR Rec.2020 HLG」や「HDR Rec.2020 PQ」よりも広い色域を持つガンマです。

HDRに対応させるなら、最初から「HDR Rec.2020 HLG」か「HDR Rec.2020 PQ」でいいのですが、

もし何年か後に、この動画素材を使うことになった場合に備えて、互換性を持たせておきます。

iPhoneでLog撮影したり、他のカメラで撮った素材も混ざる可能性があるなら、この設定がおすすめです。

ちなみに、10,000ニトまでの情報を扱えます。

実際に書き出す動画は、次の設定項目、出力カラースペースで決まるので、必要に応じて変更します。

こでは「Rec.2020 HLG」を選択します。そのあとのテキスト(ARIB STD-B67)は気にしなくて大丈夫です。

あとは、サイドバーの「マスター設定」で、「タイムライン解像度」と「タイムラインフレームレート」を設定すれば、だいたいOKです。

次からも同じ設定でプロジェクトを作成したいので、右上の設定ボタンをクリックして、「現在の設定をデフォルトプリセットに設定…」から保存しておきます。

HDR動画の再生

メニューバーから「環境設定」を開いて、「システム」タブを選択します。

サイドバーの「一般」から、「可能な場合はビューアに10-bitイメージを表示」と「Macディスプレイカラープロファイルをビューアに使用」にチェックを入れます。

HDR動画の再生に対応しているディスプレイであれば、この設定でビューアでHDR表示されます。

ダイナミック プロジェクト スイッチングの有効化

デフォルトでは1つのプロジェクトしか開くことができませんが、複数のプロジェクトを切り替えて作業を行えるように設定を変更します。

プロジェクトマネージャーで「Control^ + クリック」して、「ダイナミック プロジェクト スイッチング」にチェックを入れます。

これで、ウインドウの一番上、プロジェクト名が表示されている部分から、複数のプロジェクトを行き来できるようになりました。

Dehancer Pro

はじめに

Dehancerは、動画や画像をフィルムライクに仕上げるツールです。

デジタルで撮影した動画を、まるでフィルムで撮ったかのように、フィルムエミュレーションができます。

Dehancerが対応しているアプリも多くて、動画編集アプリでは、DaVinci Resolve、Adobe After Effects / Premiere、Final Cut Proに対応しています。

ここでは、動画編集アプリのDaVinci Resolveで、Dehancerのプラグインの基本設定を行なっていきます。

1. 調整クリップを追加する

タイムラインに調整クリップを追加していきます。

エディットページから、「エフェクト」を表示させます。

ツールボックスのエフェクトに「調整クリップ」があります。

よく使うものなので、星マークをクリックして「お気に入り」に追加しておきましょう。

この調整クリップをタイムラインに追加します。

2. ノードにDehancerを適用する

カラーページで、ノードにDehancerを適用していきます。

さきほど追加した調整クリップを選択した状態で、カラーページに表示を切り替えます。

見た目をすっきりさせたいので、いったんすべてのパネルの表示をオフにしたうえで、クリップ、タイムライン、ノード、エフェクトのパネルを表示させます。

クリップのパネルから調整クリップが選択されていること確認して、ノードにエフェクトを適用します。

エフェクトのパネルにある、ライブラリのタブからDehancerをノードに適用します。

この時、Dehancerの他にも色補正をしている場合は、色補正のノードのあとにDehancerのノードを配置します。

Dehancerは、カラーコレクション(カラコレ)のあとの、カレーグレーディング(カラグレ)の扱いです。

3. エフェクトを適用する方法

今回のように、調整クリップにDehancerを適用する以外に、タイムライン全体にエフェクトをかけたり、クリップ単体に対してエフェクトを適用する方法もあります。

複数のクリップにエフェクトをかけて、あとから再調整もしやすいという意味で、エフェクトを適用するときは、調整クリップを使うことが多いと思います。

調整クリップ自体は、なんの効果も持たないクリップです。

画像編集アプリのレイヤーと同じで、エフェクトを適用した調整クリップから、下にあるトラックすべてに、エフェクトが適用されます。

トラックがたくさんある場合に、目的のトラックだけにエフェクトを適用させたいときは、複合クリップにするなど工夫が必要です。

4. Dehancerの設定

カラーページの、クリップのパネルから調整クリップを選択して、エフェクトパネルの「設定」のタブを開きます。

ここからDehancerのパラーメーターを調整していきます。

まずは一番上のInputの設定です。

Sourceを「Choose Camera」にして、どのカメラで撮影したかを選びます。

iPhoneでLog撮影した場合は、Venderを「Apple」にします。

Log撮影じゃない場合や、複数のカメラで撮影したクリップが混ざっている場合は、「DVR WG/Intermediate(DaVinci Resolve Wide Gamut Intermediate)」 を選択します。

デフォルトでいくつかの項目が適用されているので、いったんオフにします。

各項目のEnabledにチェックが入っているものが適用されています。

MacのFinderのように「Option⌥ +クリック」で、すべての項目をまとめて開いたり閉じたりすることができます。

こういったエフェクトは、やりすぎないで、すべてを制御することが重要です。

5. FilmとPrintが重要ポイント

FilmとPrint、この2つが、Dehancerの重要なポイントです。

Film

FilmのProfileの「Kodak Vision3」は、数字はISO感度で、

Dはデイライト、青天時の太陽光の色です。

Tはタングステン、夕日の色です。

屋外で十分明るい場所で撮ったクリップなので、ここでは「Kodak Vision3 50D」を選びます。

他にも、LomoChromeのMetropolisとPurpleのフィルムがあって、かなり忠実に色味が再現されています。

オリジナルは写真のカメラフィルムですが、動画で世界観を再現できます。

Print

PrintのProfileの「Liner」は、プリントフィルムの特性の影響をうけない設定ですが、とりあえず何も考えないで「Kodak 2383 Print Film」を選択しておきます。

このためにDehancerを導入してもいいくらいに、いい感じの色味に仕上がってくれると思います。

Output

Outputの「Total Impact」の数値で、すべてのエフェクトの適用量を調整します。

LUT Generator

LUT Generatorでは、ここまで調整したDehancerの設定内容で、LUTを書き出すことができます。

Dehancerは複雑な処理をしているので、動作が重くなることがあります。

動作を軽くするために、ここで書き出したLUTを読み込んで編集して、最後にDehancerで色味を詰めていくなど、工夫ができます。

他にも、iPhone用のBlackmagic CameraアプリにLUTを読み込むことで、Log撮影でも完成に近い色味でプレビューしながら撮影できます。

さいごに

最短で、詳細について正確な情報を得るには、公式の情報を参照することが基本です。

Dehancerも公式のガイドブックがPDFで配布されているので、リンクを参照してください。

AI系のツールでテキストを翻訳したり、Google翻訳やDeepLで、日本語に翻訳したPDFを作成できます。

Dehancer for iOS/iPadOS

iPhoneとiPad用のDehancerアプリもあります。

動画や画像を読みこんで、プリセットでフィルムを選択して、さらに「編集」タブから微調整できます。

スライダーをダブルタップすると、そのパラメーターをリセットできます。

こちらも公式のガイドブックがPDFで配布されているので、リンクを参照してください。

Dehancerのプラン

Dehancerは、サブスクか買い切りのプランがあります。

2週間の無料トライアル期間があるので、まずはインストールして試してみてください。

概要欄に、Dehancerが10%OFFになるプロモーションコードがありますので、ぜひ使ってください。

プロモーションコード

NEO

Dehancerが10%OFFになるプロモーションコードです!ぜひ使ってください。

関連リンク

DehancerのWebサイト

DehancerのマニュアルPDF

Dehancer for iOS/iPadOS

DaVinci Resolve 18 | Blackmagic Design